スマホの内蔵バッテリーを長持ちさせる方法。
やってはいけないNG行為と対処法を解説します。
現代ではスマホは切っても切り離せない存在で、毎日何かしらスマホを触る機会は多いかと思います。
普段何気に扱っているスマホですが、扱う人の生活パターンや癖でバッテリーは長持ちもするし、逆に強力に寿命を縮めることもあります。
または、良かれと思いやってる事が実はバッテリー寿命を縮めているとうい場合もあります。
最近はスマホ本体の料金も高いこともありますので、バッテリーはできるだけ長持ちしてもらいたいものです。
以下のような行動はバッテリーの寿命を縮める代表的なNG行動の一例です。
- 一日頑張ってくれたスマホ君は、寝る前にスマホを充電して朝にはバッテリーフル充電!
(朝からスマホがフル充電されてないと気持ち悪い) - バッテリー残量が70%以下になると、すごく不安。充電できる場所を見つけたら即充電!
(こまめにちょくちょく充電しないと落ち着かない) - スマホ充電中だってYoutubeとかSNS見るし。いつだってスマホと一緒。
因みに、このページで言う「バッテリー」とは、「リチウムイオン(ポリマー)バッテリー」のことを指します。
リチウムイオンバッテリーの長所は、「サイズは小さいのに大容量」にできることですが、その反面「劣化しやすい」という弱点も持っています。
バッテリー爆発炎上実験動画(参考)
以下の動画は、東京消防庁が作成したリチウムポリマー電池の危険性を撮影したものです。
最初にこんな恐ろしい動画で脅かして申し訳ありませんが、過剰な電流を流すとこういったことが起こり得るということをまず知ってください。
動画は実験用に極端に高い電流を流している(過電流)ので、通常ではこういったことはあまりないかと思いますが、劣化したバッテリーが水素ガスを発したり、配線が断線したりすることは案外多いので、可能性としてはゼロではありません。
とにかく、スマホに限らずバッテリの扱いは気をつけた方が良いかと思います。
バッテリーの寿命
バッテリーは消耗品で、寿命があります。
寿命は「何年」という期間ではなく、使用方法・保存方法によって大きく変わってきます。
バッテリーが劣化する原因は大きく別けて、以下の3種類あります。
- リサイクル劣化
- 高温劣化
- 保存劣化
それぞれ説明していきます。
リサイクル劣化
リサイクル劣化とは、充電とバッテリー消費を繰り返すことで劣化ことです。
スマホを使って、バッテリー容量がなくなってきたら充電する。
このルーティンは普段行っていることですね。
よく「バッテリーの寿命は平均2年」などと書いてある記事がありますが、時間による劣化は直接的な原因ではなく、劣化する主な要因はフル充電サイクルの回数です。
よほどヘビーな使い方や、間違った知識での使い方でなければ余裕で2年以上持ちます。
このような記事は、ニッケルカドミウム電池(過去のスマホ電池)と混在している場合や、新機種を購入させる為の過剰なアオリの場合もあります。
現在の一般的なスマホ内蔵バッテリーは、約300〜500回の充電リサイクルが可能と言われています。
以下のグラフは、バッテリー充電をフル充電(100%)から完全ゼロになるまで使い切った極端な例ですが、充放電を繰り返すと確かにバッテリーの性能は下がってきます。
高温劣化
もうひとつのバッテリー劣化の加速要因として高温劣化があります。
バッテリーは、温度が約45℃以上になると劣化が始まり、
劣化が進むと蓄電された電力が低下するためにバッテリーの寿命が縮まっていきます。
また、5℃を下回る寒い環境でもバッテリーに悪影響を及ぼします。
バッテリーの最適な使用環境・保存環境は、約5℃ ~ 45℃の範囲です。
保存劣化
保存劣化とは、経年による劣化のことです。
以下は、異なる温度環境化で1年間放置したバッテリーの残り容量割合の表です。
温度が高い環境であればあるほど劣化が早まり、放電されやすくなります。
逆に低い温度環境では放電しにくくなくなるようです。
(バッテリー性能が上がるという訳ではありません)
温度 40%充電状態 100%充電状態 0℃ 98%(1年後) 94%(1年後) 25℃ 96%(1年後) 80%(1年後) 40℃ 85%(1年後) 65%(1年後) 60℃ 75%(1年後) 60%(3ヶ月後)
データにはありませんが、バッテリーが充電ゼロ(0%)の状態で放置するのもバッテリーには悪影響を及ぼします。
長時間ゼロ状態が続くと、バッテリー保護回路が働いて充電できなくなる場合もあります。
バッテリーがヘタってきた時の症状
バッテリーが弱ってくると症状が現れてきます。
以下は、代表的な症状です。
- フル充電できない。(例:何時間充電しても85%以上充電されない)
- ある一定の充電残量から一気にゼロになる。(例:20%になると一気に0%になる)
- 強制シャットダウンや強制再起動がかかる。
- バッテリーが異常に熱い。
バッテリーが弱ってくると、単純に使用できる時間が短くなるだけでなく、電圧が不安定になり、スマホが勝手にシャットダウンや再起動されるなどの症状が出てきます。
バッテリーだけの問題ではない場合もありますが、この症状は、iPhoneよりもAndroidの方が起こりやすい印象です。
また、バッテリーが異常に熱を持つ場合もバッテリーが劣化している1つのサインになります。
こうなってしまったら、バッテリーまたは本体の交換しかありません。
バッテリーの寿命を縮めるNG行為と対処法
バッテリーは消耗品であるので劣化を完全に回避することは不可能ですが、
リチウムバッテリーの性質を知り、普段の何気ない行動を気をつけるだけでバッテリーの寿命を飛躍的に伸ばすことができます。
NG1:充電しっぱなし(過充電)
これは最もやってしまうことの1つですが、スマホをいつもフル充電しているとバッテリーはみるみる弱ってきます。
可能であれば充電を80%位で止めて使用するのがベストです。
例えば、寝る前にスマホ充電してしまうと、結果、数時間充電しっぱなしになってしまうので「過充電」されることになります。
ですので、バッテリーの寿命を縮めたくないのであれば、寝る前にスマホを充電する習慣はいますぐ辞めるべきです。
バッテリー残量の最適な容量は20〜80%です。
この範囲内でスマホを使用するのがバッテリーにとって一番ベストな状態です。
NG2:バッテリー残量の無い状態での放置(過放電)
電池残量ゼロの状態が長期間続くと、バッテリーは劣化していきます。
長期間ゼロ状態よりもマシですが、短期間でもゼロ状態になるとバッテリーが劣化するようですので、なるべくゼロにならないようにバッテリーの状態を保つようにしましょう。
最悪な充電方法は、0%←→100%を繰り返すことです。
長期間使用しない場合は、50%程度の充電状態で直射日光の入らない涼しい場所で保管するのがオススメです。
NG3:頻繁な充電
こまめな充電とバッテリーの寿命は関係ないという見方もありますが、
頻繁な充電をする場合は100%フル充電してしまう場合も多いので、結局はバッテリーを弱らせることになります。
因みに、リサイクル劣化の説明で、充電リサイクル回数が、約300〜500回と説明しましたが、これは0%〜100%の充電・放電(使用)を繰り返した回数で、
充電ケーブルを抜き差しした回数ではありません。
「バッテリー残量は多ければ多いほどメンタル的に安心できる」という方は、頻繁にスマホ充電する傾向にあるようです。
「充電できる場所を見つければ即充電」の癖はバッテリーの劣化を早めます。
リモート充電システム「Qi(チー)」はケーブル充電より気軽に充電できてしまうので一層注意です。
環境によっては難しい場合もあるかと思いますが、
もし可能であれば「20〜30%位までバッテリーを使い切った後に80%位まで充電」の充電サイクル習慣をつければ、「バッテリー寿命 = スマホ寿命」はより長くなります。
NG4:高温・低温での使用
極端な環境でのスマホ使用はバッテリーに負荷をかけてしまいます。
スマホバッテリーに優しい温度環境は、約5~45℃の範囲内です。
また、環境温度だけでなく、充電時や高負荷のかかるアプリの使用は更にバッテリー温度が上がってしまうので注意してください。
- 【最悪例】
- 炎天下の車内にスマホ。
- 真夏のビーチにスマホ。
- コタツの中にスマホ。
- ストーブの前にスマホ。
- 布団の中にスマホ。
- カイロの横にスマホ。
- 冷凍庫の中にスマホ。
NG5:高湿度・低湿度の使用
バッテリーに優しい湿度は、45~80%程度が最適とされています。
お風呂を沸かした浴室内は、通常湿度100%(飽和湿度)ですので、湿度環境としては最悪です。
防水対応スマホでも、不必要に高湿度での使用は避けた方が良いかと思います。
NG6:充電しながらのスマホ使用
充電しながらのスマホ使用もバッテリーにとって優しくありません。
バッテリーは充電するとそれだけで熱を発します。
つまり、充電中にスマホを使用すると、
「充電時の発熱」+「使用時の発熱」
…ということにになり、充電していない状態でスマホを使用よりは、より多くの熱負荷がかかかってしまうということです。
以外と見落としてしまうのが、スマホケースです。
スマホの傷防止だったり、落下時にダメージを軽減してくれるものですが、
充電時には熱がこもってしまうという弱点もあります。
スマホカバーをいちいち外すのが面倒という場合は、
スマホ用冷却ファンなどもあります。充電時に冷却もしてくれますし、スマホ台にもなる優れモノです。
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